移住者等に聞く

自遊木民族珈琲|板橋諒さん・朋代さん

移住者インタビュー

自遊木民族珈琲

板橋諒さん・朋代さん

変わらない空気感と都会にはない豊かさ

野辺地町出身で、実家よりもっと田舎に引っ越しコーヒー店を営む諒さんと、以前は「こんなところには絶対に住めない!」と思っていた朋代さんご夫妻。今では諒さんのおばあちゃんが住んでいた家を自分たちで直して店舗にし、野辺地の自然に囲まれた豊かな暮らしを満喫しています。

より田舎の暮らしをどっぷりと

諒さん

この自遊木民族珈琲の店舗はもともと僕のおばあちゃんが住んでいた家で、開店する前は空家でした。若いころからずっとコーヒー店をやりたくて、青森市とか街中でやろうかなと思っていた時期もあったんですが、ここは幹線道路沿いですし、ゆっくり過ごせそうでしたしいいかなと。僕自身は野辺地町のもう少し街中の方で生まれ育ちましたが、より田舎の暮らしをどっぷりしたいなという思いもあり、もうここでいいかなってお店を始めました。

こんなところには住めない!と思っていたが…

朋代さん

私は仙台から弘前の大学に来ていて、そこで私たちは同級生でした。
野辺地町に来る前は関東の病院でリハビリの仕事をしていたのですが、コーヒー店を開きたいと言われてついてくることにしました。以前に一度、野辺地町に遊びに来たことがあって、その時は「もう絶対にこんなところには住めない!」って思っていたんですよ。その後、会社を辞めた後に色々なところを旅して、自然と一緒に田舎暮らしをしている人たちがいるエリアを周るうちに、都会にはない豊かさに自分は凄く興味があるんだということに気づきました。いざ、野辺地町に来るときには「私は都会じゃなくて、田舎に住みたい!」という思いに変わり、むしろラッキー!と思って移住してきました。

田舎にしかない自然と、人が生活する風景

諒さん

この店舗にはじいちゃんとばあちゃんが住んでいたので何度か来たことはあったのですが、いざ住むとなると実家より古かったんですよ。最近は雪が少なくなってきているとはいえ寒いですよ。激寒です!雪かきも自分たちでやらなきゃいけないし、しかも実家よりも広いですし。最初のころは自力で雪かきして店舗を開けるとなると6時間くらいかかったこともあります。

でも逆に冬は凄くいいですよ。薪ストーブに当たっている時間は凄くいいです。そして冬は星が抜群に綺麗なので、辛さとのバランスがたまりません。

(店内は裏の山で自給している薪を使ったストーブが優しく暖めてくれています。)

朋代さん

私はある時期になると急に色々な家の軒先に干し柿がつるされているとか、大根を干し始めるみたいな、人の生活の景色が見えるのが好きです。私は都会にいて、そういうのを感じたことがなかったので、凄く素敵だなと思ってよく見ています。

諒さん

自然の風景だと、すぐ近くに海があって、裏に行ったら田んぼと畑の跡があって、もっと行ったら森があります。やっぱりこの距離の近さっていうのは、海沿いの町の魅力ですね。水を見ながら過ごせるってなかなかいいものですよね。

朋代さん

私の町内のお気に入りのスポットも海です。こどもが生まれてから、夏に十符ヶ浦の海によく連れていきます。波が全然なくて、水が綺麗で、こどもを遊ばせるのにちょうどよくてすごく助かっています。

諒さん

僕の今の一押しはすぐ裏の山の森です。そこでいただいた木を薪にしているんですが、周りは杉ばかりなのに、そこだけ広葉樹があるんです。広葉樹なので、そこだけが色が変わって落葉するのがぐっときまして。そこに小屋を作りたいなとか考えていて、願わくばコーヒーをそこで淹れたいなと。そこまでは頑張りたいですね。

野辺地町での仕事

諒さん

僕は大学では文系の学部に所属していたんですけど、やっぱりやりたいことをやりたいなと思った時期があってコーヒー関連の会社に就職しました。会社員時代はあちこちに転勤した経験もあるのですが、ゆくゆくは自分でお店を持ちたいという気持ちがあり、タイミングをみて野辺地に戻ってきました。

(県外で会社員として働いた経験があるお二人は野辺地町でコーヒー店を営むという道を選んびました)

朋代さん

私たちはコーヒーですけど、何かスキルを持っている人にとって野辺地町は凄く働きやすい場所だと思います。第一次産業のイメージが強い地域ではありますが、それとは別に冬の間に仕事ができる、何か得意なことがある人の方がいいかもしれません。

諒さん

一般的には六ヶ所村で仕事をするという形が多いと思います。そして青森市や三沢市といった都市部へのアクセスはいい方だと思うので、そちらで仕事を見つけることもできます。でも、野辺地町で野辺地らしく生きるとなると、町内で新しく仕事を見つけるより自分で仕事をできる人の方がいいのかもしれないと僕は感じますね。

自分たちの生活に必要なものを自分たちで

朋代さん

私たちがまだ野辺地町に来る前に東日本大震災があって、お金があっても物が買えないという経験がありました。私は関東にいたので東北ほど大きな被害はなかったのですが、例えば計画停電があってご飯が炊けないという経験をして、その時に普段の生活の中で自分が周りから必要なものをお金と交換して、自分で生み出せないものに生かされているんだなって気づいたんです。

その後、仕事を辞めて海外や日本の色々な場所を旅していくなかで、極端に言えば自給自足のような、食べるもの、着るもの、住むもののような自分の生活に必要なものを自分たちで賄うという考え方がしっくりとくるようになりました。

例えばこのお店のメニューは動物性のものを使わない、ヴィーガンのメニューを提供していますが、畑があるからそこで大豆を育てて豆乳を作るとか、小麦を育ててお菓子を作るとか、自分ができそうなことを考えた時に、植物性の素材を使うっていうところに辿りついたんです。

(諒さんはコーヒー豆を現地で見るために外国を旅した経験があり、前の国で使えたお金が、次の国では両替できず苦しい経験をしたそうです。)

諒さん

この場所も、おばあちゃんが住んでいた今は使っていない家があって、そこには畑がついていて、自分たちで家を直したり、畑で何か育てたり、山に行って何か採ってきたり、田舎暮らしを楽しむための要素は揃っているなと思います。どんどん新しいものを手に入れるよりも、田舎の昔ながらのやり方を楽しむという視点から見たら、野辺地町は凄くいい場所なんじゃないかなって思います。

自然の中で生活する幸せ

朋代さん

(「理想にしていた大人、家族になれていますか?」という質問に対して)

私たちにとってそれを理想にしていたかわからないのですが、家に時計がないんです。時間に追われて何かをするということがない生活をしていて、それは凄く幸せだなって思うことがあります。
以前は保育園のお迎えの時間とかを確認するために一個置いていたのですが、その時計が壊れてしまいました。必要なときは携帯電話で時間を確認できるのですが、今では時計を見なくてもなんとなく時間がわかるようになりました。日が暮れてきたからもうすぐ何時かなとか、朝日の入り方で何時くらいかなとか、そういう感じで自然の中で自然に合わせて生活しているなあという感じがいいですね。

(野辺地の生活を満喫するお二人は、終始楽しそうにインビューに答えてくれました。)

朋代さん

はっきりと仕事と生活を分けていなくて、生活の延長線上に仕事もあるし、趣味もあるし、生活が楽しいです。家族で過ごす時間も全部生活の延長線上にあるという考え方なので、生活が充実している=仕事も休みも充実しているという感じだと思っています。

大きく動いていないことが逆に武器になる

諒さん

世の中では多くの地方で人口減少に伴って色々と動いているわけですが、逆に野辺地町はそれほど大きく動いているわけでもなく、僕たちが小さかった頃と何ら変わっていないんですよ。でも、逆にそれが武器になるという気もしているんです。

北前船のような文化や歴史、風土といったところもそうですし、景色を売りにできるような場所もあります。敢えて綺麗な箱物を作るとかではなく、そういった所に外からのお客さんを誘うような、野辺地に来たくなるような仕掛けは必要だと思っています。町外の人がなかなか立ち止まりもしないという町に引っ越したくなるかと言われたら、おそらくならないでしょうしね。

このお店も、町内外のまだ出会ったことがない人たちでも気軽に来れて、色々な話ができるような場所として機能させたいなと考えています。僕たちも言うだけじゃなく、自分から動くということを大事にしたいなと自分に言い聞かせて、今一生懸命やっています。

(町外の人も気軽に立ちより、話ができるような店にしたいと諒さんは話します。)

諒さん

個人的には野辺地から出た人が戻ってきやすい環境をつくるべきだよなとも思っています。もちろんその人の気持ちはあるんですけど、帰ってくる方が増えて欲しいなと感じます。

僕の体験談なんですが、実家はおじいちゃんやおばあちゃんが年越しの時に十割そばを手打ちしているような家だったんですけど、小さいころはそれが美味しくなかったんですよ。でも、今は逆にその味を覚えてるんです。
科学的な根拠は何もない話ですけど、おふくろの味とかおばあちゃんの味って郷土愛の根源的なところかなと思うんですよね。いかに野辺地の味を食べさせるかという、そんな食堂でもやったら流行るんじゃないかって思います。
地元の味だとか、空気感だとか、そういった部分は変わっていないので、野辺地出身者が帰ってきやすいような環境づくりは大事かなと思います。

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