移住者等に聞く

移住者インタビュー
株式会社東京不動産バンク
熊谷春男さん・田中陽子代表
「田舎だから」は当てはまらない野辺地町の可能性
野辺地町出身で、東京・神奈川を中心に不動産業で活躍されていた熊谷さん。株式会社東京不動産バンクは令和2年に野辺地町に青森支店野辺地営業所を開設し、熊谷さんは青森支店長を務めています。熊谷さんが野辺地町に着目したのは生まれ故郷だからというだけではなく、この地域に無限の可能性を見出したからでした。東京不動産バンクの田中陽子代表も同席していただき、県外出身者から見たご意見も頂きながらお話いただきました。
きっかけはホタテ 青森県に支店を開設
熊谷さん
私が野辺地町に戻ってくるきっかけは、プライベートで帰省していた時の出来事でした。私は東京・神奈川で不動産に特化した専門の仕事に携わっていて、青森に戻るつもりは全くありませんでした。漁師の幼馴染から、野辺地の特産物のホタテをインターネットで販売したいと相談を受けたのがきっかけで、令和2年に田中代表と一緒に株式会社東京不動産バンクの支店を作ることになりました。

熊谷さん
不動産と水産業は全く結びつきがないので、だからこそ面白いと感じてチャレンジすることにしたんです。営業先でも名刺を配ると、「こんなこともやっているんだ」「ホタテも売ってるんだ」と興味を持っていただけることもあったので、やっぱり面白かったな、やってよかったなと今では思っています。
都市部よりも魅力がある野辺地町
熊谷さん
青森県には青森市、八戸市、弘前市など大きな都市はあるのですが、野辺地町や六ヶ所村は不動産業という視点から見ると最も魅力的な町でした。そして私自身が野辺地町出身ということもあり、支店開設の候補地は野辺地町一択でした。移住のきっかけはホタテのインターネット販売とお話しましたが、むしろ野辺地町の不動産の方が面白いと感じて支店を作ったんです。
実は野辺地町は県内の都市部に比べても圧倒的に家賃が高いんです。家賃が高いということは収益が高いということなので、全国の投資家に注目されます。これが野辺地町に注目した理由です。私も代表も東京で20年以上の経験があるのでわかるのですが、家賃は神奈川県や埼玉県、千葉県あたりと同じくらいなんです。
人口一万人ほどの小さな町ですが、近くに原燃関連の特殊な施設があることで恩恵が受けられるエリアでもあるので、野辺地町でやるということに何の迷いもありませんでしたし、自信もありました。
私は高校を卒業してすぐ神奈川県に出て、当時はまだ10代、20代でしたから、青森県のビジネスがこんなに大きいものだということを全くわかっていませんでした。ただ、大人になって戻ってきてみたら、東京の次に資産性がある不動産じゃないかなと感じました。

田中代表
東京の方は私、青森は熊谷が中心という形でそれぞれに分かれて運営しているのですが、東京の方にも投資家やオーナーのお客様もいらっしゃるので、今は野辺地が面白いですよと紹介させていただいて、物件ツアーのような形でお客様を連れてきたりしています。
不動産は需要と供給が嚙み合わないといけないのですが、野辺地町はまだ供給が足りていません。そこを活性化して動かすためには、青森支店にも人が必要で、非常に重要な場所になっています。
熊谷さん
野辺地町でやれるという確信を持ったのはその需要と供給の部分です。支店を開設する少し前にも野辺地町に来て活動をしていましたが、一度も宿が取れたことはありませんでした。野辺地町には宿泊施設が約10件ほどありますが、宿が取れないというのは普通に考えてかなり凄いことなんですよ。アパートも空室を探す方が難しいぐらいどこも満室で、今も需要と供給のバランスが明らかにアンバランスな状況です。なので私たちは住まいや宿所を地域の方や、六ヶ所村の原燃関連で来る方に提供していきたいと思っています。
原燃だけではない 野辺地町の仕事
熊谷さん
野辺地町の不動産の需要が高い理由は、私も最初は原燃関係で来る方の引き合いが強いと思っていました。でも実際に弊社で管理するマンションやアパートなどの入居者を見てみると、決して原燃に関連する方だけではありませんでした。もちろん、たまたま近くに原燃関連の施設があるので野辺地でやっていけるという確信を持ったわけですが、仮に無かったとしても十分にやっていけるのではないかと思っています。個人的な感想ですが、私は野辺地町に移住してきてくれた方も仕事の心配はないと思っているんです。
例えば、弊社で管理している飲食店が町役場の本当にすぐ近くにあるのですが、お昼は凄く混んでいます。人とお金が集まるエリアなので、街にランチを食べに行くと飲食店はどこも混んでいるんです。このように野辺地町は飲食店の需要が高いので、きっとできる業種だと思っています。こういった形はまさに弊社がやろうとしている部分なので、もし青森県で飲食店をやりたいという方がいたら、ぜひ野辺地町をお勧めしたいですね。
野辺地町だけの暮らしの魅力
熊谷さん
私は東京から戻ってきていますけども、正直なところ東京の生活と青森の生活はあまり違いを感じていません。東京にいても夜は飲み屋さんに行くくらいなので、確かに野辺地の街は眠るのが早いとは感じますけど、やることはそれほど違わないと感じています。もちろん都会には都会の良さがあるんでしょうけど、やっぱり野辺地町の自然は魅力的ですね。
特に私が気に入っているスポットは愛宕公園です。私たちは仕事柄、日本全国あちこちに行くんですが、愛宕公園の頂上は癒される空間ですし、そこから見渡す風景は全国見てきた中でもトップクラスです。凄く気持ちのいい場所ですね。

田中代表
景色で言えば、私は柴崎レクリエーション公園が好きです。上の方から海が見渡せて、山があってという自然の景色が全体的に見えるのでいいですね。私は海なし県出身ということもあって、海が綺麗に見える柴崎レクリエーション公園が好きです。
熊谷さん
私は釣りが趣味なので、海があって釣りができるというのも非常にいいところだと感じます。そして冬は、私が雪国育ちなのでそう感じるのかもしれませんが、雪が積もった窮屈な暮らしを逆に楽しむという感覚で暮らしています。自然がいっぱいというのは本当に魅力的ですね。
田中代表
野辺地町の冬は寒いし、雪かきが必要なので本当は苦手なんですが、夏は漁船に乗って釣りを楽しめるのはいいですよね。東京だと遠くにいかなければできないことを、野辺地町だとすぐ目の前でできてしまうというのが魅力的ですね。
そして冬は苦手と言いながらも、かまくらを作るのに穴を掘るだけでできてしまうことに凄く感動したんです。東京だとそれほど積もらないですし、普段できない経験で、本当に穴だけ掘ってろうそく立ててという。そんなかまくらで過ごす夢がここに来た時に初めてできたことに感動しました。
お子さんがいらしたら、海もあるし、山もあるし、雪も降るし、自然の中で色々な面白い体験を子どもの頃からできるというのは凄くいいですね。
熊谷さん
青森県にも東京にもいいところ、悪いところがあると思います。自分が自分のことを精一杯やるっていうのが東京、青森はみんなで協力してやっていこうっていうようなエリアだと感じています。例えば誰にも干渉されたくない人は、東京はいいなって思うんでしょうし、みんなで協力してやっていきたいっていう人は青森の方がいいのかなと思います。
移住される方が、例えば都会暮らしで疲れたと感じているのであれば、こちらは魅力があるんじゃないかと思っています。
やる気とチャレンジの気持ちさえあれば大丈夫
熊谷さん
私は自分が小さい頃に思い描いていた自分になれていると思います。自分がやりたいことをまだ実現できていないとは思うのですが、そこに挑戦できていると感じています。
私の仕事で言えば投資家さんが自分の資産を形成するのが目的で、仕事を通してその手助けになれているのかなと。小さいころから人の役に立つ仕事をしたいという考えが根底にあったもので、やりたいことがやれているという点ではなりたい自分になれていると思います。

熊谷さん
先ほどもお話した通り、野辺地町は本当に魅力的な街です。見る目がシビアな投資家の皆さんが毎月、毎週のように来てくださっているので、外から見ても本当に魅力的な地域なんだなと実感しています。
私の仕事は不動産業という専門的なものなので、移住者の参考になるかどうかはわかりませんが、とにかく私が感じているのは、野辺地町が田舎だから、というのは当てはまらないということです。人が少なければ少ないなりにやり方がありますし、誰もやっていないことだからこそチャンスがあると思うので、とにかくやる気とチャレンジの気持ちさえあれば大丈夫です。ちょっと勇気を持って、自分が主役になってやるんだ!ぐらいの気持ちで来ていただけたら、きっとみんなが応援してくれると思いますし、野辺地での暮らしを楽しめるんじゃないのかなと思っております。